野菜や果物、ナッツ、きのこ、海藻、などの植物食品を48度以下の加熱
範囲で調理して、生のままで食べる食スタイルのことをローフード(Raw=生)と
言います。
何故植物食品を生のままで食べるかというと、これらの食物が持っている酵素を摂ることを
目的としているからです。
酵素・・・第8の栄養素*と言われているように、最近良く耳にする言葉ですが、
実際にはアミノ酸すなわちタンパク質なのです。
じゃあなんでタンパク質と言わないの?というと加熱することで死活してしまうから。
タンパク質は加熱してもタンパク質ですが、48度〜60度の加熱によって酵素としての働きは
死活してしまいます。つまり酵素はいわば『生きたタンパク質』と説明出来ると思います。
この生きたタンパク質である酵素が
何故体に必要であり、ローフードを食べて摂ると良いのでしょう?
それは私たちの腸の働きと密接に関係しています。
食べて胃液で溶かされ、肝臓や膵臓から消化酵素
(これは私たちの体の中から分泌されるもの)を
混ぜて腸へ運ばれた食物は、さらに小さい単位に分解されて、
腸壁から吸収され毛細血管へ浸透し血液に運ばれて全身へ廻って行きます。
このとき、最小単位にまで分解するのは『何によって』でしょう?
それは腸内細菌でなのです。
私たちは体の中に善玉菌という細菌と共存しています。
善玉菌は生き物ですから、彼ら自身もエネルギーが必要です。
そのとき、善玉菌にとってのエネルギーが酵素なのです。
酵素がしっかり摂れているとき、善玉菌は俄然いい仕事をします。
せっせと分解して栄養が腸で吸収されて取り込まれていきます。
ところが、現代の食生活では、又食品では酵素は非常に少ない。
というよりむしろ全く摂れていない。
その上、添加物や化学物質など本来流れてこないはずの食品が
大量に摂取される為に、分解できないまま取り残されるもの=腸内停滞物
すなわち宿便も大量に抱えていることが多いのが現実です。
全ての体のエネルギーを腸で作っているのに、その内側が滞っていることは、
万病の元と言えます。
様々な過去にはなかった不定愁訴(体の不具合)は
実は腸の中の環境がオカシナことになっているせいかもしれません。
そこで今一度腸内の善玉菌の活性を取り戻す為に、ローフードが登場しました。
生の食物が持っている自然の酵素をそのまま美味しく取り込みます。
私たち自身の酵素(消化酵素)と相まって、腸内環境を活性化してくれます。
その結果腸は綺麗になって、栄養をが順調に取り込まれる様になります。
それが本当の健康な体の状態を作ってくれるという考え方です。
だからといって美味しくなかったら、そもそも体は喜びません。
ローフードは体が喜ぶおいしい食スタイルです。
生のママで食べるので、食材や生産者さんへの関心もおのずと湧いてきます。
自分で育てて食べるのもとってもいいことです。
命の価値や有り難さも痛感します。
食べ物を粗末にすることなんて出来なくなります。
便利で何でもある今の社会が、取りこぼして来てしまった
大切なものをローフードを学ぶことで思い出して、楽しみましょう。
志村 双葉
*3大栄養素 タンパク質 炭水化物 脂質
5大栄養素 ビタミン ミネラル
7大栄養素 水 食物繊維
8番目の栄養素 酵素